合コンで出会った子に誘われた飲み会がネットワークの集まりだった件

体験

友達からの誘いで合コンに参加

2021年8月13日、無職として満3ヶ月目を迎えた私は大学時代の友達からの誘いで合コンに参加することになっていた。

合コンというものはあまり経験がなく、かつ得意ではない。(以前地獄を味わわされたオンライン合コンについてはこちら)

また、以下の記事にも書いたことだが、ロマンティック性の高い「恋愛」という現象への発展が目指されるプラットフォームに自ら身を置こうとすることへの違和感もあり、基本的に合コンは参加しないという方針だ。

ただその少し前まで内臓系の問題など諸事情により1ヶ月半ほど入院していた関係で同世代とは2ヶ月近くほとんど接する機会がなかったこともあり、異性との出会いというよりは単純に社交の場を欲していたので、割と乗り気で当日を迎えた。場所は渋谷。

乗り気だったあまり、開始時間を1時間勘違いしてしまい、渋谷駅の地下街などを1時間近く徘徊して時間を潰す羽目になった。

この男たち2人と渋谷駅前で合流し、とある居酒屋に入る。既に女性4人が到着していた。その後男女1人ずつ遅れてきて、男4:女5という形になった。

男女の幹事同士がもともと知り合いで、男4人と女性側幹事(以下A)は皆同じ大学出身で、他の女性陣はAの地元の友達や友達の友達などバラバラであった。無職である私と就職を翌々月に控える先輩を除けば皆社会人で、旅行会社や銀行、テレビ局やメーカーやフリーランスなど多岐に渡った。基本コミュ障な私は緊張しつつも、徐々に打ち解けていった。

その後お店が閉まるタイミングでもう一軒ハシゴして、日付が変わる前に解散した。
合コンといえばもちろん男女交際を意識して行われるものであるわけだが、そこにいた全員、別にその後何かしら発展しそうな兆しもなく、結果として普通の飲みという感じであった。

後日、女性幹事Aから連絡が

それからしばらくして、Aから個人的に連絡が来て、二度飲みに誘われた。
とはいってもサシで飲むというよりは何人かで飲もうという感じであり、かなり活発な人なので単純に色んな人と仲良くなりたいのだろうと思いつつも、結局予定が合わないなどして話は流れた。

そして合コンから2週間と少しが経った頃、三度目の誘いがやってきた。「友達が場所借りて穴場飲みするんだけど、よかったら一緒にどう!?」とのこと。日時を尋ねると、3つ提示された。なるほど、何度も開催しているということか。しかもなかなか頻繁。

場所はいずれも横浜の方だった。そっちの方に住んでいるのか。都内から少々時間がかかるが、まあ何度も誘ってくれているし、一度くらい行ってみるかということで、参加することにした。

社会人をしながら高頻度でイベントを開催するー。組織的にやっているということだろう。
つまり仕事の傍らイベンターもしている、もしくはイベンターの友達を手伝っているといったところか?とこの時点では感じていた。BBQは面倒くさそうだったのでそれを避ける形で16日のイベントを選ぶと、イベント詳細情報が送られてきた。アクセス方法まで丁寧に書かれていた。かなり手慣れている。

この頃、最近就職が決まったという大学時代の後輩から連絡があり、食事に行った。彼はコロナの影響などにより人と接する機会がなく、飲みの場があれば行きたいと言っていたので声をかけ、一緒に行くことになった。

飲み会直前に正体を悟る

そして迎えた当日の夕方、Aから「予定より早く横浜に着きそうだからお茶でもしない?」と誘われ、無職でフットワークの軽い私は了承、19時20分頃に横浜駅近くのドトールに到着した。

ドトール

奥の方の席にいたAと合流し、雑談する。前回の合コンではそこまでちゃんと話したわけではない。改めてどういう人なのかを探る。Aは地方出身の社会人4年目で、元々はガチめの体育会系だ。

私「こっちの方住んでるの?」
A「うん、2年近く住んでる」
私「あれ、でも職場は東京の東の方じゃなかったっけ。リモートなん?」
A「いや普通に毎日出社してるよ!」
私(普通、職場が東京の東寄りで出社もしてるのに、わざわざこの辺りに住むだろうか?横浜が好きなのだろうか。あるいは彼氏と同棲か?)「なんでわざわざこっちに?」
A「個人事業主として副業やってて、その仲間がこっちにいるんよ」
私(!!…そうきたか)「へぇ~どんな副業?」
A「メーカーの個人代理店!」
私(ほぼ確…)「何のメーカー?」
A「化粧品とか!」
私(確定か)

私は彼女がネットワークビジネス、恐らくはアムウェイの会員であると悟った。
彼らは勧誘のために頻繁に交流会などを開催する。つまり今回の飲み会も…ということだ。

それから間もなく、後輩もやってきた。そのタイミングでAはお手洗いに向かう。後輩に対して「今回のやつ、アムウェイの集まりかもしれん」と苦笑いしながら申し訳なさそうに伝えた。楽しみにしていた後輩は萎えていた。

そこから何分か歩いてとあるマンションに入り、レンタルスペースとして貸し出されている一室に案内される。最初は7人ほどだったが、続々と人がやってきた。最終的に20-26歳くらいの男女20人近くが集まった。Aはその大半と顔見知りのようだった。

イメージ画像です

他の参加者たちの多くも、80人規模くらいの社会人フットサルサークルなどで既に繋がっているようだった。ちなみにフットサルなどのスポーツサークルは、カルト宗教やネットワークビジネスの勧誘の場としての機能を持つケースが珍しくない。

阪大出身で研究職のゆるふわ系女子、オンライン塾の経営をしている男、Fランの大学3年生、快活な感じの元甲子園球児、食品系商社の男、美容師の女、近々生命保険営業を始めるらしい女など、色んな奴がいた。

アムウェイかと思ったら違った

一見目的のない初対面が大半の大人数での飲み会は苦手であり、かつどうせ仲良くなっても勧誘目的で接触されても無益だという思いもあり、しばらく経ったのち部屋の隅のソファに座って後輩と2人で話していると、同じ大学で野球部に所属していたという同い年のBという男がAと一緒にやってきた。

Bのうろ覚えのイメージ(誇張)

B「普段何してるんですか?」
私「無職です。毎日が日曜日です(泣)」
B「俺も毎日が日曜日みたいなもんだな(笑)」
私(投資家か何かか?)「何やってるんですか?」
B「ニュースキンって知ってます?」
私「あー名前聞いたことはあります」(アムウェイじゃなかったんかよ)

Bの横にいるAも、私の反応を窺うかのような視線の動きをしている。
AもBも、ニュースキンについてそれ以上は何も話してこなかった。

22時過ぎに解散となり、後輩と一緒に横浜駅へと向かう。後輩は過去にカルト宗教にハマっていたことがあり(脱退済み)、その勧誘の際にも同じようなやり方をしていた(フットサルや飲み会)ため、雰囲気で分かったという。なお後輩は勧誘される気配は全くなかったらしい。彼は翌年4月から公務員になる身である。調べたところ、ニュースキンの会員になる条件の1つに「公務員ではない人」というのがあるらしい。公務員は原則副業禁止だからだろう。基本的に彼の横にいた私が彼を紹介する際にその旨を伝えていたことが関係していそうだ。ちなみに私を飲み会に誘ってきたのは無職だから食いつく可能性が高いかもしれないと思ったからだと思われる。

その後Aからフットサルに誘われたが、運動したい気持ちはありつつも横浜にわざわざ行くのが面倒かつ、勧誘対象として見られても無益であることから、予定が合わないことにして軽く断った。

ニュースキンとは、ネットワークビジネスとは

ニュースキン(Nu Skin)とはアメリカ合衆国ユタ州を拠点とする、化粧品・健康食品の開発製造・販売を行う企業であり、販売方法に連鎖販売取引(Multi-level marketing=MLM=マルチ商法=ネットワークマーケティング)を採用している。

なお、Aたちが横浜に住んだり集まったりしているのは、国内に5拠点あるニュースキン製品を試したり購入したりできる店舗(エクスペリエンスセンター)の一つが横浜にあることが関係しているようだ。

同一視されがちな「ネズミ講(無限連鎖講)」とは異なり、マルチ商法自体に違法性はない。
ネズミ講との違いは、商品があるかどうかだ。商品さえあれば何だって良いので、原価の安いテキトーなサプリメントを作って「美肌に効果てきめんです」みたいな感じでやっていたりする。

会員は大抵の場合、初期費用に加えて毎月一定額分の商品を購入する必要があるのだが、それが上に吸い上げられていくのだ。(「素晴らしい商品だから」とか商品理解のためなどの名目で)

とはいっても下々の会員たちは簡単に稼げるわけではないので、放置していたらすぐに辞めてしまって上の人たちが稼げなくなる。そこで、グループで活動したり勉強会を開いたりするのはもちろんのこと、頻繁に行われるセミナーに参加して「成功者」たちの有り難いお話を聞いてモチベーションを維持していく。

そして「成功者」たちは良いところに住んで良い車に乗るなどカネ持ちアピールをしまくって下々の会員たちに憧れさせて搾取しつづけるという、本当に誰の役にも立たないふざけた話である。
情報商材ビジネスでもよくある話だが、カネ持ち風を装うために高級時計をレンタルして写真を撮ってSNSにアップしたりしてる人も結構いるようだ。

そんな具合に搾取されて苦しむことになる人が多いのはもちろんのこと、執拗な勧誘やブラインド勧誘、借金苦に陥る会員の存在など様々な問題が度々取り沙汰されている。

ネットワークビジネスについて思うこと

特に大学を卒業してから今に至るまで、アムウェイを始めとするマルチ商法の人たちに勧誘されることが何度もあった。「マルチ商法は危ない」と無思考的に「常識」に流されて切り捨てるのは教養の欠片もないと思ったので、勧誘された際にはシャットアウトするのではなく社会勉強も兼ねてしっかりと話を聞くようにしていた。

そして色んな話を色んな人からなるべくフラットに聞いたり議論したりした結果、「明らかに胡散臭いものが大多数であることは前提の上で、モノによるけど上手くできるのならそういうやり方もアリなんじゃないでしょうか。ただし(特に友達を勧誘したり日常的に人とつるんだり信仰にも似た意識高い感じなどが)自分には確実に合わないと思うし、それに耐えることができて大成功できるとしても、既に社会に定着している強力な負のイメージによる機会損失は甚だしいと思うので、私はやるつもりは全くありません」という結論に至った。

ただし私を勧誘しても互いに時間の無駄だ

実際、成功を収めて多くの人から慕われて人生を謳歌している人たちも何人か見てきた。執拗な勧誘やブラインド勧誘などで人の気分を害したり友達を失ったり借金を抱えたりして評判を下げているのは、主に低層の会員たちだ。全体の中で報われるのは僅かというシビアな世界であり、やはり何かしらの秀でた能力がなければ、それ一本で食べていくのは難しいという印象だ(だから「毎日が日曜日」なんて言えたものではない)が、100%不幸になるという極端なものでもない。誠実な心持ちで本気でやっているのなら、こちらからとやかく言うべきはないのだろう。

また、別に擁護するわけではないが、アムウェイやニュースキンのような大きくて有名なところは商品開発にも力を入れているようなので、テキトーにサプリメントを作って実質的なネズミ講をしている連中とはまたちょっと違うと感じている。(後者についてはほぼ何の役にも立たないゴミクズ)

もし友達がやっていたら、勧誘されたら

どういう種類のマルチ商法なのかにもよるが、別に友達がマルチ商法をしていたとしても、本人がある程度自分を客観視できていて、かつ幸せそうであり、私やその周辺人物に不誠実な勧誘をかけないのであれば、別に止めはしないし、特段距離を置こうとも思わない気もする。

今回に関しては友達ではなく知り合いだが、仮にある程度距離が近いという前提でなら、一度勧誘されたとしても、それがゴミクズ系マルチ商法でなく、かつブラインドではなく誠実に正面から勧誘してくれたなら、話を一通り聞いた上で「やるつもりはないけど、問題ないのであればこれからも宜しく」で話は済むだろうし、こちらから関係性を変えようとは思わないだろう。(友達から勧誘されたことがないので何とも言えない部分でもあるが)

しかし実際のところ、彼らからしてみれば直接的な勧誘をすれば拒否反応を引き起こすし、今どき検索すれば一瞬で正体が分かるので、勧誘の成功率を高めるにはどうしても初めはブラインド寄りからスタートしてジワジワと取り込んでいくというやり方にならざるを得ないというのはあるのだろう。もっとも、それがますますマルチ商法に対する世間の印象を悪くしていくのだが。(無論、印象を悪くする要因は他にもたくさんある)

勧誘側には、ただ使えるコマが欲しいと思っている人もいれば、本気で(ある種洗脳レベルで)その製品や組織が良いと思って活動している人たちもいる。(アムウェイやニュースキンのような上場もしている大きなところは特に)
一定の人間関係があって後者のタイプであった場合、一緒に頑張って夢を実現したいなどと純粋に考えている可能性もある。もし友達がネットワークビジネスをチラつかせてきたとき、反射的に拒絶するのではなく、しっかりと耳を傾けた上で、自分の考えを伝える方がスマートでセクシーだと私は思う。

【関連記事】

コメント

トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました