【実態】動物園レベルとされるFラン大学に潜入してみた

体験

以前学生合コンとかいうショボいイベントに参加したとき、そこで喋った女子大生がこんなことを言っていた。

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※イメージ

「ウチの大学はヤバい。授業中に先生に反抗しはじめる学生とかヤンキーとか普通にいる。動物園状態」

こらキミ、こんなところで遊んでないで早く動物園に帰りなさい。
全く飼育員は何をやってるのか。いや、動物園に失礼だろう。
本物の動物園の動物たちは、皆ちゃんと飼育員に従順に日々を過ごしているのだから。

そんなことを思いながらも、それはさておきそんな最高学府らしからぬドFラン大学があるのならば開拓せねばなるまいと私は思った。「潜れ。そうだ今すぐにだ」ー大学潜入好きの私のDNAがそんな指令を下した。

なお、多くの人が間違えているが、最高学府=東大ではなく、最高学府=「学問を学ぶところとして最も程度の高いところ」という意味であり、通例、大学を指す。(現代においては大学院などであるはずだが)

早速仲間を募り、7月下旬の平日、友人ら3人で東京を離れてフィールドワークへと向かった。

具体名を出してどうこう言うのは少々問題があるのでここではボカすことにするが、偏差値35くらいのその大学のキャンパスは関東の地方都市の中心部から結構離れたところにあり、都内からのアクセス面は★☆☆☆☆といったところか。

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※イメージ

電車とバスを乗り継ぎ、さらに1km近く歩いてキャンパスに到着する。

とある建物に入ると、校訓的なものが書かれたボードが壁にかけられていた。
学生は「挨拶、服装、頭髪、出席率」で、教員は「無休講、報連相、就職指導」などで日本一を目指しているとのこと。日本一の服装・頭髪とは一体…。

そう思って見渡してみると、よくあるFとは異なり、頭髪の派手な学生はここでは希少種だった。
かつては入学式に派手な髪色の学生がいれば学長が注意していたらしい。
今の私の髪色はワインレッドに近いので、高確率で呼び出しをくらうのだろう。

教員はフォーマルスーツやネクタイの着用が義務づけられている。
クールビズという概念はないのだろうか?

教員にはその他、学生の生活指導もする必要があるという。
どうやらこの大学は義務教育の延長としての性質が強いらしい。

就職率や就職先を気にする親子が多いとは聞くが、そこまでしないと学生が入ってこないのだろうか?近年の大学界全体の傾向として、就職予備校的要素が強まってきているとはよく聞く。

なお、廊下の壁に貼られていた紙の説明するところによると、廊下での私語は授業妨害になりうるので慎まなければならず、教室内での飲食や持ち込みや廊下などでの食べ歩き、座席の確保のためにモノを置くことなども禁止されているようだ。

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煙草

キャンパス内は近年全面禁煙になったらしい。
自分自身の健康、周りの人の健康にも配慮できる社会人を送り出すためとのこと。
こういった動きは近年のトレンドであり、まあ良いことだと思う。

さらなる実態把握のため、テキトーに授業に潜ってみた。環境系の教養科目だった。
数年前に潜入した都内某Eラン大学では大きめの教室にも関わらず学生が私の全ての小指で数えられるほどしかいなかったのだが、そこの教室はほぼ満室だった。日本一の出席率を本気で目指しにきているということなのだろう。

なおこの大学、授業開始時には起立・礼をすることになっているそうだが、この授業ではその義務教育的儀式が見られなかった。私は思わず「「ッ貴様らルール違反だぞふざけるなぁァ!!…これは上に報告させてもらう」と立ち上がりながら叫びかけたがギリギリのところで堪えた。

授業冒頭、ヒョロいメガネの教員が「ファイじゃあ出席取りますね~」と言い出した。

「学生証出してください~」ヒョロメガネが教室内を廻る。学生たちが学生証を机の上に出す。謎の機械で次々と読み取られていく。

なん…だと??

コイツら、授業冒頭の貴重な数分を犠牲にしてまで、本気で出席を取りにきていやがる。

しかし無論、私たちにはこの大学の学生証なんてない。

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教員はこの人に似ていた

どうしようかと考えているうちに、メガネが我々に接近してくる。

「あれ、キミ学生証は?」

キョドりながら「(ハンドバッグをゴソゴソ…)アッ..忘れました」

私1人だけならまだしも、横に並ぶ友人2人も同様に保持していないため、同様の回答を示している。怪しさが指数関数的に上昇していく。

「キミこの授業とってる?」メガネが尋ねる。

「(ここは『聴講です』って言うべきなのか?いや、3人揃って夜通し遊んでいてそのまま学校に来たから学生証を家に置きっぱなしにしてきたなどという設定にしていけば決して不自然じゃない…ならばここは押し通す)アッはい」

4月などであればともかく、既に7月なわけだから、教員としても「こんな奴らいたっけ?」と内心思っていただろう。しかし、

「ふーん」

の一言で終わり、なんとか事なきを得た。
なお後ろに座っていた男どもは「コイツら初見だな」などとホザいており、我々は学期が始まってから3ヶ月半、ずっとサボっていたFラン代表みたいな設定になっていた。

あわせてコメントペーパーも配布された。2つの関門でしっかりと出席を管理していやがる。確かにこれじゃあなかなか授業をサボれない。出席率が高いことにも合点がいく。

なお、教員は授業時に備え付けのカセットテープレコーダーで録音しなければならないらしい。欠席者にはそれを貸し出してレポートを提出させることで「出席」と認める。音声データは学期終了時に大学に提出し、保管されるそうだ。

周りを見渡すと、パソコンを開いている学生は一人もいない。授業中の使用は禁止されているとのこと。また、学内Wi-Fiは存在しない。立地の悪さもあって、携帯の電波はよくないらしい。
恐らくここの学生は通信制限をすぐに迎える貧民か、ギガ数の多いプランで契約しているブルジョアに二極化しているのだろう。ちなみにある学生に尋ねたところ、パソコンを持っていない学生はコンピュータールームを利用するとのこと。

それにしてもパソコンとネットが自由に使えないのは流石に不便すぎるだろう。iPadはどうなのだろうか。キーボードと同期できるタイプの大きめのタブレットはいかに?パソコンルームには流石にネットがあるはずだからそこからルーターを繋げばその周辺でネットを使うことはできるかもしれない。いくらでも抜け道はありそうだ。ポケットWi-Fiユーザーも多いかもしれない。
私事だが高校1年のとき、音楽プレイヤーを学校に持ってきてはいけないというルールをかいくぐるために電子辞書にmicroSDでMP3音源を入れてイヤホンで聴いていたことをふと思い出した。教師に咎められたときは「英語のリスニングの練習ですが」と返せばなんとかなった。

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パ―ソナルコンピューラー

無論、授業は退屈である。世の中の授業の9割は退屈なものだろう。かといって途中で急に3人で抜けるのも不審すぎるので、時間を持て余しながら居座りつづけていた。あまりに退屈だったので、途中からは友人の1人と「みんはや」という早押しクイズアプリにひたすら興じることになった。

多分どの大学(文系)も大抵そうなんじゃないかとは思うが、寝ている学生と携帯をいじっている学生の割合はやはり多かった。教員の示すスライドが切り替わるたびに撮影するシャッター音がめちゃくちゃ鳴っていた。あとでデータ配布すればいいのに。

食堂では勉強や課題的なことをしている学生が多かった。課題が多いらしい。

この大学、1年次からインターンシップ制度を用意するなど就職支援意識が強く、学内外の様々な就活・ビジネス関連のチラシが廊下などに置かれていた。

ルールがやたら厳しいのもあってか、全体的に真面目で堅実な雰囲気であった。

ただし、ホームページの数字を確認した限りでは、中退率のやたらと高い学部もあるようだ。

 【総括】

いわゆるFラン(偏差値35くらい)とされる部類に位置する大学であったが、ヤンキーが闊歩する“動物園状態”などというわけでは全くなかった。むしろ逆に平和で治安良好だった。

しかし冷静に考えれば、園児系・ヤンキー系の学生は、在籍しているとしてもそもそも大学にほとんど来ないだろう。(そういった学生たちはそのうち中退していくということだろう)
今回のフィールドワークは7月下旬であったが、入学当初にあたる4月頃に行けばまた違った雰囲気なのかもしれない。

もちろん本当にヤバい大学もあるかもしれないし、今回の大学はルールの厳しさゆえに平和な光景が維持されているのかもしれないが、何にせよ「Fランは一様にヤバい」という先入観は捨て去るべきだとの結論に達した。

海外旅行と海外滞在が違うように、しばらく過ごしてみなければ見えてこない側面は必ずあることは言うまでもない。
今回は学生と話すことはあまりせずに「みんはや」に興じていたため、内部事情を広く知ることができなかった点が悔やまれる。

客観的に見れば、私たちはF以上にFをしてしまっていたことになる。あの日以来「そもそも私はFラン大生以上にFランなのではないか?」という問いを脳裏から消し去ることができない。

2019.08.27

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