小学生の頃。
先生が皆に「これ分かる人~?」と声を張る。
皆が甲高い声を上げながら一斉に手を挙げる。
そんなとき、私は分かっていても手を挙げることはほとんどなかった。
他の人ができることをわざわざ自分がやることに、意味を感じなかったからだ。
正解の決まりきった問題、多くの生徒が正解を知っている問題。
ガキ大将のKくんが答えたって、好きだったNさんが答えたって、何も違わない。
「これ分かる人~?」
教室が静まる。周りを見渡す。
誰も手を挙げていないことが分かったときだけ、手を挙げていた。
もちろん、分からなければ挙げようがないのだけれど。
その姿勢は今も変わらない。
自分だからこそできることを、その場にいる他の人にはできないことを、やりたいと思っている。
でなければ、他でもない自分がやる意義を感じることができない。
フラフラと過ごした学生時代を終え、新卒社会人になって一ヵ月。
ビジネスの世界において、当然ながら私はまだまだ雑魚だと気付かされる。
「自分だからこそできること」なんて言ってられる世界はそこにはなかった。
だからこそ、ワクワクする。
この伸びしろしかない状況に。
そうとなれば、あとは考えながら動きつづけるのみ。
まずは”手を挙げられる”場面を増やすことから。
そして次は、”手を挙げたくなる”場面を増やしていく。
小さな教室とは比べ物にならないほどに、大きなステージで。
2020.05.04
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