賃貸物件探しはどうやって進める?失敗しない部屋探しの黄金ルートとコツ

実用

3月から4月にかけては、新生活を始める人が多い引っ越しのハイシーズン。

引っ越しの過程において多くの場合無視できない「賃貸物件探し」というものは、非常に骨が折れる行為である。

SUUMOやアットホームといった物件検索サイトとにらめっこしては、あーでもないこーでもないと行ったり来たり条件を調整したり、コレは!と思った物件を問い合わせてみれば既に埋まっていたりする。検討対象は物件そのものだけではなく、その周辺環境も含まれるので、なかなか一筋縄ではいかない。

「①家賃(固定費)を削減したい」「②気分を一新したい」というモチベーションで2月初旬に引っ越しを思い立ち、以来準備を進めていた。

「もっと合理的に物件選びができないか」

この記事では、引っ越し先物件選びにおける考え方とその順序、さらには一事例として私個人の検討方法をまとめた。

特に後者については、私と同じようなモチベーションで引っ越しを検討している人にとって、何かしら参考になる要素があれば幸いである。

WHY:なぜ引っ越すのか *超重要

※長いのでWHYが明確な人は読み飛ばし推奨。

まず初めに、なぜ引っ越すのかを明確にしておいた方がいい。

引っ越しというものは得てして骨の折れる行為である(物件探し、内見、引っ越し作業、インフラ整備、転出・転入届、各種住所変更etc)から、その根幹部分がハッキリしていなければ、ふと我に返り「なんで引っ越そうとしているんだっけ…」と虚無に陥ることになりかねない。

無論、引っ越そうとする背景には、進学や転職といったライフイベントが存在するケースが多く、理由について殊更に意識することはないかもしれない。

しかし昨今では在宅ワークOKの会社・組織が増えている。あるいは、大学の授業が(ほぼ)オンラインであるなどして、キャンパスの近くに引っ越す必然性がないケースもあるだろう。

そんな状況下でありながらあえて引っ越しを検討するようなときは、のちに迷いが生じないようにするためにも、「なぜ引っ越すのか」を明確にしておきたい。

私の場合

何を隠そう、私はWHYの検討を重ねた結果、引っ越しを保留とした。
この検討は引っ越しの大前提となる非常に重要なところなので、あえて書くことにする。

前述の通り「①家賃(固定費)を削減したい」「②気分を一新したい」の2点が私が引っ越したい理由だったのだが、なぜそうしたいのかについても深掘り紐解く必要がある。

まずは①について。人を特定の空間に留めさせる要因としてよくあるのが仕事や学校などのコミュニティだ。

私は都内の会社に勤めているがフルリモートOKであり、ネットが自由に使える限りにおいて、勤務場所を選ばない。今年は今日に至るまで一度も出社していない。プライベートの観点から都内もしくは近郊に拠点は構えておきたいとは思ったものの、仕事を理由に常にここにいる必要はなかった。

であれば、関西の実家に帰ったり、暑い夏は北海道に滞在したり、スギ花粉の酷い時期(今年は去年の5倍の飛散量らしく、完全にやられている)には花粉の少ない沖縄に疎開したり、梅雨のダルい時期には雨の少ない他の国に移動したりというように、柔軟に場所を変えていきたい。

しかし、自宅にいない時間が長かろうが、家賃や自宅のネット回線といった固定費は常にかかってくる。その事実は精神衛生上あまりよくない。そこに消える無駄金は、もっと別のところに使いたいものだ。

1-2ヶ月の不在時でも完全に家賃の発生を抑えたいのであれば、短期滞在も可能なシェアハウスやマンスリーマンションという手もある。

某番組より

しかし、退去の1ヶ月前には予告しなければいけなかったりするし、いちいち退去していては荷物を運び出すのも面倒だ。それに、都内のシェアハウスは個室だとなんだかんだ月々最低でも5万くらいはかかってくる。マンスリーマンションはさらに高い。既に色々揃っている家具家電等を手放すのも気が引ける。

そもそもシェアハウスは自分の行動がある程度制限される(風呂やトイレ、キッチンの被りなど)ので、なるべく避けたい。ソーシャルアパートメントはそれよりはマシかもしれないが、今よりも高くなってしまうから本末転倒だ。

3ヶ月以上ずっと帰ってこないであれば一旦退去した方がコスパが高いかもしれないが、実際そんなに長い期間連続で家を空けることはまずない。

②については、今の家に2年半以上住んでおり、そろそろ別の場所に移り住みたいという単純なものだ。(18歳以降の9年間で12回引っ越している)
これまで住んだことのない場所、できれば住んだことのない路線を選びたい。

これらの動機は、後述するエリア・物件選びの前提条件として効いてくる。

WHYを疑う

しかしここで、前提を疑いたい。

目の前の家賃はあまり無視できない金額ではあるが、収入が増えれば誤差の範囲にできるのではないだろうか?極論、月収が10倍になれば、家賃の削減などあまり考えなくなるばかりか、もっと高いところに引っ越したいとすら思うだろう。

  • 収入を増やせる目処はあるのか?(昇給や転職など)
  • その幅はどれくらいか?
  • あるいは収入を増やす方向で頑張ろうと決めて突き進むつもりはあるか?

といったことについても、長期目線で考えを巡らせたい。

また、ある程度家賃を下げるとなると、必然的に利便性が落ちる。利便性が下がるということは、時間や労力がかかるということだ。

  • 固定費削減と引き換えに増える別のコスト(移動時間、労力、フットワークなど)を考えたとき、果たして引っ越しは得策か?
  • 引っ越すには何かと労力がかかるが、それに見合った結果を得られるのか?
  • 初期コストの回収は何ヶ月後になるか?
  • 何年(住むであろう期間)で合計いくらくらい削減できるか?
  • それは自分にとって本当に価値のある差か?

このあたりも具体的に検討・精査し、納得のいく答えを出したい。

「気分を一新したい」についても同様で、

  • 気分を一新するには引っ越ししか方法がないのか?他にも色んな方法があるのになぜ引っ越しにこだわるのか?
  • 環境を変えることで自分が新しくなった気分になりたいだけではないのか? つまり変化を外部要因に安易に求めるというある種の甘えなのではないか?(「同じ場所に住みつづける≠成長が鈍化する」であり、環境に明確なマイナスがないのであれば自分次第でどうとでもなる)
  • 環境を変える意義はどれくらいあるのか?今の環境にどのくらい問題があるのか?

といったことを自問してみてもいいかもしれない。

あれこれ自問した結果、私は引っ越しを一旦保留とした。(引っ越す価値があると思える物件が見つかれば、そのとき改めて検討したい)

HOW MUCH:いくらの物件に引っ越すのか

WHYがクリアになり、納得のいく内容になって初めて、引っ越し先の具体的な検討に移ることになる。

さて、引っ越しにおける最大のネックは、ほとんどにおいて、カネだ。

カネがほぼ全てを解決しうる

住み始めてから発生し続ける家賃・管理費はもちろんのこと、敷金・礼金といった初期費用に加えて、見落とされがちな「更新手数料」や「解約違約金」といった後々かかりうる費用も考慮に入れたい。

人はつい、目の前の分かりやすい数字に飛びついてしまうが、コスト計算は部分ではなく全体で見るべきである。

例えば、

A:家賃が8万円で2年ごとの更新手数料なし
B:家賃が7.7万円で2年ごとの更新手数料あり(1ヶ月分)

という同じようなスペックの2物件があるとして、家賃だけ見れば後者の方がお得っぽいが、更新手数料も含めて考えると、
2年間の総額は、Aは8万×24ヶ月=192万、Bは7.7万×(24ヶ月+1ヶ月)=192.5万と、Bの方が割高になる。

もちろん、2年以内に退去する予定があるのであれば、Bの家賃の安さをストレートに享受すればいい。(仮に2年いっぱいで退去すればBは総額184.8万)

とはいえ、サイトでの検索段階では大抵そこまで指定できないので、基本的に家賃(+管理費・共益費)を基準に見ていくことになる。

しっかり計算しよう

この時点で、以下のようにある程度幅を持たせて設定しておきたい。

  • 理想的な金額
  • ある程度許容できる金額
  • ギリギリ許容できる金額

というのは、「最初はこれくらいの金額に抑えたいと思っていたけど、この場所でこの条件ならもうちょっと高くてもいいかな」などと後々考えるうちに泥沼化するという事態は往々にして発生するからだ。この時点である程度思い描いておくとのちのち迷走せずに済む

さらに考えたいのが、住み始めてからの生活コストだ。何にどれくらいお金を使うのかはもちろんのこと、金銭面以外の労力等にも目を向けたい。

家賃が低いからという理由で郊外のアクセスの悪い物件を選んだものの、都心への電車での長距離移動が必須の生活となってしまい、結局交通費がかさんでしまい、時間も精神力も削られてしまっている。引っ越しなんてしなきゃよかった…

…ということがないように、引越し後の日々で発生するであろう生活費はもちろんのこと、「時間」や「エネルギー」「精神衛生」といった目に見えにくい指標も同列に置いてバランスよく考えたいところだ。

私の場合

今住んでいる物件は都心の利便性の高い駅チカ1K鉄筋マンション。家賃は7.5万円(管理費なし)だ。コスパは良い方だろう。しかし、先述の生活様式を考えたとき、いかなるときも固定費で月7.5万が消えるのは手痛いと思った。浮いた分は他の有意義なことに回したい。

先に述べたが、極端な話、手取りが月に100万あれば、月々7.5万の家賃など気にしないどころかもっと高い物件に移り住むだろう。

私の感覚としては、3.5-4万くらいに下げることができれば、精神的な身軽さはかなり高まりそうだったので、そのような物件を探すことにした。もちろん初期費用も抑えていく。

初期費用削減TIPS

  • 初期費用は、仲介手数料のかからない、あるいは安く済む(0.55ヶ月分など)不動産業者を選ぶ。(あるいは交渉する)
    例:東京なっトク部屋探し(仲介手数料0円か2万円)
  • キャッシュバックキャンペーンを実施しているサイトから内見を申し込む。(賃貸EXなど。条件を満たせば家賃1ヶ月分がキャッシュバックされたりする)
  • 自分から何も言わなければ不動産会社の提携先の電力/ガス会社を利用することになる。しかし、それらの料金は会社やプランによってまちまち。不動産会社には「自分で探して契約します」と伝えて安い会社・プランを探すことで今後のコストを削減できる。なお、電力/ガスともに同じ会社のものにすれば若干ながら割引があるし、契約や管理が楽。
  • ネット回線については使用している携帯のキャリアによっては安くなることもあるので、こちらもまずは比較サイトで確認してみるのが良いだろう。
  • 火災保険は、提案されるオーバースペックなプランではなく身の丈に合った安いプランを自分で探して契約する。(「賃貸 一人暮らし 火災保険 安い」などで検索。5分で完了できる。2万円/2年→8千円/2年くらいに下げられる)
  • 消毒代やら安心サポートやらといったよく分からないものは不要と伝える。(しれっと含めてくるものだが、必須ではない場合がほとんど)
  • 余談だが、私が無職時代に固定費削減のために引っ越しを検討した際に見た中では、家賃4万円代の物件かつ、敷金・礼金・仲介手数料3つが不要という物件が2つあった。いずれも東京・高円寺にある、築40年以上の狭い木造アパートだったが、火災保険料や鍵交換代、家具等を運搬するためのレンタカー代などを考慮に入れても初期費用6万くらいで引っ越せるという状況であった。そういう物件も、あるにはある。

WHEN:いつ引っ越すのか

Calender Man

よく知られた話だが、2月中旬頃から5月上旬頃にかけては引っ越しのハイシーズンである。

引っ越し需要が高いということは、お金がかかりやすいということだ。(家賃相場・引越し業者費用など)

不動産業者にとっては忙しい時期だから、その対応は自ずと雑になるし、気になった物件があってもすぐに埋まってしまったりする。

何を目的に、何を重視して引っ越すかによるが、もしコストを抑えたいのであれば、ハイシーズンは避けた方がいいだろう。

余談だが、12月に安くなる物件は少なくないという。理由としては年内に空き物件を埋めて安心して年越ししたいという物件所有者(大家)が家賃などの条件を引き下げることがあるからだそうだ。

いつ引っ越すか決まったら

引っ越し時の負担を減らすために、要らない家具や家電などの処分を始める。

不用品の引き取りをしてくれる引越し業者も多いが、処分費用が発生するので自治体の取り決めに従い粗大ゴミに出した方が安上がりであることが多い。

または使えるモノであればジモティなどに出品するのも良い。(引越し日直前に受け渡し)

粗大ごみはHPから申請後、キャンセルもできるので、同時にジモティなどに出品して売れれば取り下げ、売れなければそのまま粗大ゴミとして出すというのも一つだ。

私の場合

2月上旬に引っ越しを思い立ち、当初は3月中に引っ越そうかと思っていたが、家賃相場が上昇しはじめたこともあり、一旦見合わせて5月中旬以降に焦点を絞り直した。

なぜなら先述の通り、今回の私の引っ越しの理由の一つは「家賃(固定費)を削減したい」だったからだ。

3月下旬に差し掛かる頃から、本格的に物件探しを開始することに決め、モノを減らしたりインテリアについて知識を増やしたりしている。(結局引っ越しは保留となったがこれは続けている)

WHERE:どこに引っ越すのか

DIAMOND online

次に考えるべきは、どのエリアに引っ越すかだ。

都道府県、市区町村、路線、地区、最寄り駅をどうするか。

「学校や職場の近く」という制約があれば、このあたりはスムーズに進む。
しかし、在宅ワークなどによりその制約が少ない人には、ここがかなりの難所となる。私もエリア選びは難航を極めた。

ただ、考えるにあたって重要なポイントは、

1.よく行く場所へのアクセスが良いか
2.街の雰囲気が好みか
3.望む生活スタイルに合うか

大きくこの3つだろう。順に説明する。

1.よく行く場所へのアクセスが良いか」については、例えば渋谷によく行くのであれば、田園都市線や銀座線、京王井の頭線といった電車の路線、さらにはバスの路線も視野に入れてもいい。所要時間や乗換回数で、どこまで許容できるか。

新宿と渋谷によく行くのであれば、その両方へのアクセスが容易な路線やエリア、という風にもっと絞りやすくなる。(例:中央線で新宿に、京王井の頭線で渋谷にそれぞれ1本でいける吉祥寺)

海外によく行くのであれば、空港直通のバスや電車が出ている街を優先するのもいいだろう。

もちろんこれは街に限った話ではなく、よく行く施設(オフィスや実家など)も同様である。

2.街の雰囲気が好みか」については、行ったことがあり既に惹かれているのであればそれでいいが、行ったことが(あまり)ないのであれば、まずは散策してみるのがいい。これに関しては、SUUMOやGoogleストリートビューなどを前にウンウン唸るよりも、街歩きした方がずっと得られるものが多い。百聞は(略
できれば複数回、時間帯や平日休日と条件を変えて歩いてみたいところだ。

3.望む生活スタイルに合うか」は、どんな生活を送れたらハッピーか、という話だ。安心して出歩けるだとか、友だちを呼びやすいだとか、休日は近所のカフェで本を読みたいだとか、良い感じの公園を散歩したいだとか、買い物しやすいだとか、ローカルな感じの居酒屋で夜な夜なワチャワチャしたいだとか、会社にすぐ行きやすいだとか。

WHY(引っ越す目的)も念頭に置きつつ理想の条件を書き出してみて、それができそうな街はどこなのか、思い浮かぶならそれが候補になるし、浮かばなければ探してみる。ネットだけでなく、詳しそうな人に尋ねてみるのもいいだろう。

私の場合

私がよく行く場所といえばまずは渋谷。
目安として、渋谷に大体30分以内で行ける場所がいいと思った。

ここに、引っ越す理由「①家賃(固定費)を削減したい」「②気分を一新したい」を適用する。
つまり、渋谷に大体30分以内で行けて、①家賃が3.5万程度に抑えられて、②住んだことのない街・路線。

条件が3つくらいあると、結構絞られてくる。

WHAT KIND:どんな物件に引っ越すのか

ここにきてようやく、金額面以外の物件条件を検討することになる。

SUUMOやアットホームにあるような条件がそのまま参考になる。
駅徒歩所要時間、間取り、建物種別、築年数、面積、バス・トイレ別、2階以上…などがそれにあたる。

予算が潤沢なのであれば希望の条件すべてにチェックをつければいいが、家賃を下げたいのであれば大抵の場合シビアに設定していくことになる。

SUUMOなどの賃貸物件検索サイトの検索条件項目は、物件イメージの解像度を上げる上で有用だ。

検索サイトにも色々あり、SUUMOやアットホーム、ホームズのような大手もあれば、地域密着の小規模不動産サイトもあったりする。特にこだわりがなければ物件掲載数1位のSUUMOでよい。

人によって好みやこだわりは様々で、どの要素も取っても様々な見方ができてキリがないので、ここではあくまで私の物件選びにおける考え方を中心に、かいつまんで述べるとする。なお、家賃(固定費)をなるべく小さくすることを念頭に置いての検討となる。

管理費・共益費込み:ここには常にチェックを入れる。初期費用の一部である敷金・礼金は大抵の場合家賃の1-2ヶ月分であり、管理費・共益費はカウントされない。しかし、その後の支払いは「家賃と管理費・共益費の合算=実質家賃」なので、管理費・共益費と家賃を分けて考える理由はない。

礼金なし:礼金とは物件所有者へのお礼という名目で強制的に搾取される不動産業界の悪しき風習。入居者にとって意味のないお金だ。先述の通り、コストを長期視点で考えたとき、更新手数料同様にこれは無視できない。
ただし例えば「礼金(家賃1ヶ月分)があって更新手数料(家賃1ヶ月分)がない」=「礼金(家賃1ヶ月分)がなくて更新手数料(家賃1ヶ月分)がある」なので、この絞り込みの段階では考慮に入れない。
ただし、とにかく初期費用を抑えたいのであれば、チェックを入れる。

敷金・保証金なし:敷金=保証金と考えていい。家賃未払い時の支払いや退去時の清掃・修繕などに用いられ、余った分は退去後に返還される。(ブラックボックスではあるが)
敷金がなくても退去時には結局清掃・修繕費用を支払うことになるので先に払うか後に払うかの違いである。どうせ払うのだから同じようなものだが、とにかく初期費用を抑えたいのであれば、チェックを入れる。

駅徒歩:徒歩1分は80mというのが業界のルール。1分未満は1分に切り上げ。
先程考えた生活スタイルの中で、どれくらい駅を利用するのかによって重要度が変わる。治安の良くないエリアであればなるべく駅から近い方がいいだとか、晴れていればいいけど雨の日に20分もかけて歩きたくないだとか、そもそも自転車での移動がメインになるからあまり気にしないだとか、色々イメージしながら、広めに候補を出したいのであれば許容範囲より1つ多い分数ふんすうを選ぶ。(例えば10分以内が良いと思い文字通り「10分以内」を選んだとすると「11分」の物件が表示されなくなってしまう。しかし10分も11分も誤差の範囲。よって「15分以内」を選ぶ)

建物種別:マンションは階数に制限がなく、鉄骨造(S)/鉄筋コンクリート造(RC)/鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)で建てられているのに対して、アパートは階数が2階から3階程度で、木造もしくは軽量鉄骨造であるものを指す。一般的に、マンションの方がアパートより家賃が高く、防音性にも優れるとされるが、結局は物件次第。(間取りなどにもよる)
グラデーションの世界でもあるので、あまりこだわらなくていいように思う。

築後年数:築年数が長くても、リフォーム済物件であれば綺麗だったりするので、こだわりがなければここで絞らなくてもいいように思う。ただし、新耐震基準(震度6以上でも耐えられる)が適用された1981年6月1日以前の物件は、その後耐震補強工事をしていないケースもあるので、注意が必要。

専有面積:単身であればモノが少なければ15m^2などでも余裕だったりする。SUUMOでは下限が20m^2からしか設定できない謎仕様。ホームズなら10m^2から選択可。

バス・トイレ別:一般に、分かれたタイプが人気であり、その方が家賃は高い傾向にある。一緒の方が掃除しやすいので私はむしろ別でなくて構わない。分かれたタイプはトイレを物置化しやすいというメリットもある。なるべく家賃を下げたいなら、本当に分かれていた方がいいのか、改めて考えてみてもいいかもしれない。(例:彼氏/彼女がよく遊びにくるだろうから分けておきたい、など)

2階以上:1階のメリットは安さと入りやすさ。下の階の住人とのトラブルもない。しかしデメリットが多い。防犯面の弱さ、空気の悪さ(道路のホコリなどが舞い込みやすい)、虫の入りやすさ、日当たりの悪さ、眺望の悪さ、湿度の高さ(物件や時期によってはカビが発生しやすい)。1階でもこれらの条件をクリアした物件は数多存在するが、価格帯は上がる。なお、階数が上がると眺望・日当たり・風通しが良いなどのメリットは高まるが、外に出る頻度が多いのであれば階段の登り降りやエレベーターの待ちがダルく、災害時に対応しにくい。何を重視するかである。私は2階か3階を選びたい。

ドバイのブルジュ・ハリファなら108階に住める

室内洗濯機置場:もともと室内派であったが、室外置き(ベランダ)を経験した結果、その方がいいとも思うようになっていた。洗ったあとそのまま移動せずにベランダに干せるからだ。なお室外置きは玄関外側のパターンもあるので注意が必要。
室外置きは夜間には利用しにくいが、インバーター機能がついている洗濯機ならあまり問題ない。また、雨風などにより劣化が進んだり、洗濯機内部が汚れやすくなったりするため、室内置きに比べるとケアが必要になる。洗濯機カバーや防振ゴムマットも併用したいところ。
しかし乾燥機能付洗濯機であれば干す必要がないので、劣化を遅らせるためにも室内一択だろう。私は引越し後に仕入れたいと思っているのでチェックをつける。
Haier – インバーター式洗濯機とは?非搭載の洗濯機との比較や長所短所を解説!

エアコン付き:エアコンがない物件の場合、中古エアコンでも購入に2-3万、取り付け工事費用に1-2万はかかる。ただ、エアコンが付いているとしても古いものであれば電力消費が今どきのものと比べて高く、長い目で見れば高くつく可能性もある。(Nationalのエアコンなら新しくても2008年製)
ただしエアコンは電気代が高く付くので、代わりになる家電の導入も検討してもいいかもしれない。
家事タウン – エアコン代わりになる家電おすすめ5選!1番涼しい冷房器具や電気代の比較!

構造:主に騒音に関わってくる。木造は安いが防音性に欠ける。一応防音シートや防音マットを使えばある程度は緩和できるが、うるさい住人がいたら厄介だ。音に敏感な人や、音を出す人は、避けた方がいいだろう。また、木造は通気性が良いという特徴があるが、それは冷暖房の効きが良くないことをも意味する。また、鉄筋・鉄骨と比べると耐震性が弱いことが多い。
防音性を重視しているのであれば鉄筋・鉄骨造りの物件(もしくは木造でも防音性高めの物件)である必要がある。
木造物件だと都心でも3.5万はなくはない(ただし風呂・トイレがなかったりする)が、鉄筋・鉄骨だとそれは難しくなる。

角部屋:人気の条件(ゆえに高くなりやすい)。騒音リスクを緩和でき、またニ面採光であることが多く、部屋が明るくなる。(デメリットにもなりうる)

太陽はしっかり浴びたい

南向き:一日を通して日当たりが良く、洗濯物も乾きやすいため、日本では最も人気が高い。(南半球のオーストラリアなどでは北向きが人気なのだろう)
また、一口に南向きと言っても、真南もあれば南西や南東もある。
方角ごとにメリット・デメリットは様々だ。

東向き:朝明るい、午後は日当たりが良くない(洗濯物を干すなら午前からが良い) など
西向き:夕陽を拝める、午後の日差しが強い など
北向き:夏場でも涼しめ、日当たりが良くない、洗濯物が乾きにくい、冬は寒くなりやすい など

ただし、そういった要素がメリットになるかデメリットになるかどうかは、その人次第である。自分がよく家にいる時間帯や洗濯の方法など、生活スタイルも考慮の上で検討したい。
また、方角がどうであれ、こうした要素は周囲の環境(高い建物が隣接しているなど)にも左右されるので、物件を見てみないと分からないところではある。ストリートビューなどで確認(現状を反映しているとは限らない)、または実際に見てみるのが望ましい。

ある程度陽を浴びることは人体にとって良いこと(ホルモン分泌など)なので、出かけない日が多い人は北向きは避けた方がいいのではないかと個人的には思う。(一面採光の場合)

その他

シューズボックス:あると便利だが、靴が多くてもシューズラックで対応できる。

ガス:プロパンガスは都市ガスの倍くらい高い。湯船に浸かったり料理したりする頻度が高いのであれば、できれば都市ガスが経済的ではあるが、プロパンガスしかない地域も多い。

インターネット:工事に時間と費用がかかるが、物件によって様々。また、回線業者が工事費無料などのキャンペーンを実施していたりもする。移動が多い人や引っ越し頻度が高い人であれば、モバイルWi-Fiでの対応も検討したいところ。金額はあまり変わらないことが多い。

周辺施設までの距離:スーパーやコンビニなど、使用頻度が高い場合は考慮したい。
最近はネットスーパーも多いが、私は夜に安くなった惣菜を狙いたいので、スーパーはある程度近場にあってほしいと思っている。ただし、これも生活の導線を考えた方がいい。家から多少遠くても、よく使う駅のすぐそばにスーパーがあるのであれば、駅から家に帰る途中で寄ることができる。

仮に物件から駅までは徒歩15分程度でいいと思っている人が、スーパーからの距離を1000m以内(徒歩約12分以内)に設定すると、駅のすぐそばにスーパーがあったとしても検索結果には出てこなくなってしまう。よってこの場合、スーパーからの距離を2000m以内(徒歩25分以内)と甘めに設定し、あとでふるいにかけるのがいいだろう。

フリーレント:初月家賃ゼロ的なやつである。人気の物件には基本ついていない。フリーレント≒礼金なし≒更新手数料なしであるので、よっぽど初期費用を抑えたいというわけでもなければ、総額で検討するためにもここでチェックを入れて無駄に候補を狭めてしまわない方がいいだろう。

このように項目を絞っていった結果、候補物件がほぼなかった、あるいは多すぎたとなれば、優先度の高い順に条件を増やしていく。

希望条件選定TIPS

先程似たようなことを述べたが、細かい希望条件を複数用意すると、より柔軟に物件を探すことができる。

例えば私の場合、以下のような具合になる。

①家賃3.5万(予算内)で、ある程度希望を満たす物件
②家賃4万(予算オーバーだが許容範囲)、しかしその価値を感じる高望み物件(例:角部屋)
③家賃5万(予算をかなりオーバーしているがギリギリ許容範囲)、しかしその価値を感じる高望み物件(例:角部屋+駅徒歩7分以内)

検索条件を保存して、該当の新着物件があれば通知が来るように設定できる。

WHICH:どの物件に引っ越すか

前項である程度候補を出した上で、物件ごとのページを確認してさらに絞っていく。
その前に、検索条件には含まれないが自分にとって重要な要素をイメージして洗い出して軸を作っておくと、スムーズに絞ることができる。

例えば、
①間取り(部屋の形や窓の大きさなど)
②設備(やたら安いと思ったら風呂トイレがないことも)
③収納(必要な容量があるか)
④壁や床の色(インテリア的に許容できるか。DIYで上から貼ることも可能)
は確認しておきたい。(SUUMOで検索する場合)

また、周辺環境についても同様。

内見

内見はせないけん

優先順位を決めて内見に行く。

オンライン内見というものもあるが、やはり自分の五感で触れる方が失敗がないので、少なくとも有力候補については実際に足を運んだ方がいいだろう。足切り目的で使う分にはいい。

思い描く生活スタイルの中で特に通りそうな道や場所を歩いてみるのもいい。家から駅、家から最寄りのコンビニなど。例えば、思ったより坂道が急でしんどいということが判明することも。

なお不動産業者は、仲介手数料無料または家賃の0.55ヶ月分の業者を選ぶ。(物件検索サイトなどから確認できる)

家具家電の搬入経路(玄関や階段の幅など)、具体的な間取り、壁の厚さ、採光、部屋の各辺の長さ(家具家電の設置シミュレーションのため)、サッシの状況(カビが生えやすくはないか)などを確認する。

これは問い合わせ時でもいいと思うが、インテリアの観点から照明にこだわりたい場合は、蛍光灯かLEDライトかについても確認しておきたい。(蛍光灯の場合、照明のアレンジが難しい)

私の場合

自炊をなるべくせずに惣菜に頼りたいので、スーパーを重視している。
ネットスーパーもあるが、夜などに30%-50%引きになった惣菜を確保したいので、ここはあまり譲れない。

候補をある程度絞った上で、以下についても確認したい。

①駅やスーパーと家の導線
②生活スタイルとスーパーの営業時間(深夜の帰宅が多いのにスーパーが22:00営業終了だと使いづらい)
③スーパーに閉業の予定がないか

HOW:どうやって引っ越すのか

自力(+協力者)か、引越し業者か。

もちろん、どこからどこに引っ越すかによっても変わってくる。

間を取って、自分で運べるものは自分で運ぶことで、引越し料金を削減することもできる。

引越し業者に依頼する際は必ず、複数業者から見積りをとること。
普通に3倍くらいの料金をふっかけてくることも多いからだ。

荷物の量、移動距離、シーズンなどから相場を理解し、即決価格を決めてから、引っ越し見積もりサイトに登録する。すると、色んな会社から電話がかかりまくってくるだろう。
金額を提示されたら、「他社はこの金額だったのですが」と言って即決価格を提示しかえす。無理なら他をあたる。それでも無理そうなら妥協する。

あるいは、大手ではなく小規模業者に依頼するともっと安く済む。

自分で運ぶ場合、レンタカー屋で軽トラを借りればよい。
ニコニコレンタカーのような格安レンタカーなら6時間4千円台くらいでレンタルできる。

WHO:誰が引っ越すのか

貴方だ。

同居人やペットがいる場合は、それらも含む。

開晃パパ日記 ~ナースマン兼業農家~ – 834 『引っ越しおばさん』の真実
 

まとめ

①WHY:なぜ引っ越すのか *超重要
②HOW MUCH:いくらの物件に引っ越すのか
③WHEN:いつ引っ越すのか
④WHERE:どこに引っ越すのか
⑤WHAT KIND:どんな物件に引っ越すのか
⑥WHICH:どの物件に引っ越すか
⑦HOW:どうやって引っ越すのか

色んなTIPSを散りばめたが、少なくともこの順序で検討しておけば、引っ越しに絡んだ余計な時間や労力の発生をある程度抑えることができるだろう。

というわけで、良き新生活を。

2023/03/14

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