歌舞伎町の客引きとボッタクリの裏側に迫る④

犯罪/胡散臭

前章はこちら。

歌舞伎町の客引きとボッタクリの裏側に迫る②
歌舞伎町での参与観察を通して知った、客引きとボッタクリの裏事情。

第三章 歌舞伎町のぼったくり

 第三章では、歌舞伎町の客引きたちから伺った情報を中心に、歌舞伎町における過去と現在のぼったくりの手口や事例、ある客引きのぼったくり観などを説明するほか、ぼったくりが発生する構造についても言及する。

3.1 ぼったくりとは何か

武岡(2016)の言葉を借りれば、ぼったくりとは「あらかじめ提示していた金額よりもはるかに高額の支払いを要求したり、約束していたサービスを提供せずに料金を取ったりする行為」のことである。そして、多くのぼったくりに関わるのが客引きの存在である。店と客との間に最初にフリーの客引きを挟むことが、店の責任を分散させる上で役に立つのだ。店との雇用契約にない客引きが勝手にありもしない条件を提示したという設定にすることで、店の請求が不当なものではないということを主張しやすくなるからである。
歌舞伎町のぼったくりと一口に言っても、被害者が殺されるケースもあれば法外な請求額を支払って泣き寝入りするケースもあり、その被害の程度は様々である。

3.2 歌舞伎町における有名ぼったくり事例

歌舞伎町におけるぼったくり事例は山ほどあるが、そのうちのいくつかを紹介する。先述の書籍『歌舞伎町・ヤバさの真相』の中で挙げられていたぼったくりに関する重大事件を以下に一部抜粋する。

1980年:キャッチバー「サロンパラダイス」で法外な飲食料金を請求された大学生がビル三階の窓から地上に飛び降り、転落死
1987年:客に睡眠薬を飲ませ、90万円を奪って埼玉の土手に放置した暴力バーの経営者ら六人が逮捕
1995年:茨城の墓石販売業者が歌舞伎町の暴力バー「シェラトン」で法外な料金を請求されるも支払いを拒否し、最終的に殺害
1999年:元芸人が女性スナック経営者らと共謀し、埼玉の会社員にアルコール度数九十六度のウォッカ入りの酒を飲ませた上、睡眠導入剤を塗った菓子を食べさせ死亡させ、会社員からカードを奪って現金百四十五万円を引き出して、客を店外に放置(客は死亡)
2009年:スナック「美松」にて経営者が都内の会社員に焼酎などを飲ませて昏睡状態にさせ、店外に連れ出してキャッシュカードを奪い、現金を引き出した上で客を路上に放置(客は同日夕方に搬送先の病院で死亡)
[溝口,2009:150~152]

3.3 ぼったくりの手口

ぼったくり側は、殺人・傷害や財布などの強奪といった凶行に走る前に、警察沙汰を避けるために客から自発的な形で高額料金を受け取りたいと考えている。実際のほとんどのぼったくりは、殺人や過失致死に至るようなことにはならない。泥酔した客のクレジットカードで架空決済を行なうケースも確認されており、警視庁が注意を呼びかけている。
以下、現在あるいは数年ほど前までの歌舞伎町において発生する/していたぼったくりの手口を説明する。

3.3.1 ぼったくりヘルス

現在の歌舞伎町においてもっともメジャーなぼったくり業態が、このぼったくりヘルスと呼ばれるものである。この手口を駆使する客引きグループに所属するA氏から、具体的な流れなどについて話を伺った。
まず、客引きが歩行者に声をかける。その際、彼らは歩行者の関心を引くために嘘をつく。彼らがよく使うのは「AV女優の〇〇とセックスできます」というフレーズである。そしてAV女優の写真を見せる。それに食い付いた歩行者(以下、客)と、値段交渉を行なう。指名料が何万円、本番行為をしたいなら何万円、ハメ撮りしたいなら追加で何万円、3Pなら追加で何万円などという具合に(あるいは保証金という名目で)料金を重ねていき、なるべく高い金額で決着をつけることを試みる。(逆に「指名料をタダにします」などと言ってお得感を出すことも)結果的に4万円になることもあれば、20万円を越えることもある。
ここで仮に10万円で決まったとする。次に客引きは客をレンタルルームのある建物に案内する。エレベーターで上の階に上がり、客から料金を受け取り、「奥に進めばレンタルルームがあります」と説明して別れる。客はレンタルルームで使用料の3000円を支払い、室内で待機する。
客をレンタルルームに案内して待機させるという行為自体は通常の無店舗型ヘルスと変わりはない。しかし、このぼったくりヘルスの場合、ここからが異なる。最初に説明した女性とは全く別の女性、それも中年女性や一般に容姿の優れない女性が入室するのである。当然ながら客は「話が違う」と戸惑ったり憤ったりする。ここで大抵はキャンセルすることになるが、その場合は女性が追加でキャンセル料を請求する。キャンセル料は取れることもあれば取れないこともあるという。違法行為であるため下手を打てば逮捕のリスクもあり、ゆえにあまりに強く押すことはできないからであるとのこと。また、キャンセルしないとしても、追加で支払いを要求されることもある。文句を言われても、「キャッチの人が何を言ったか知りませんけど関係ないんで」「そういうお店なんで」などと言い張る。料金は先払いであるため、あとになって支払いを拒否したところで返してもらうことはできない。また、入室して待機していても誰も現れないというケースも存在し、これを「やらずぼったくり」(物事を実行せずに、実行するための代金のみを徴収する)という。客が支払った金額に応じて客引きは収入を得る。
この一連の行為は「やっつけ」と呼ばれ、歌舞伎町では現時点においては一部のヌキ系風俗業においてのみ用いられる手口である。A氏の所属するグループでは、一つのぼったくりヘルス業者と提携しており、連れていくレンタルルームは毎回同じ一箇所であるという。店舗を構えていないことが摘発を困難にしている。
A氏曰く、彼らのグループにおいて「やっつけ」は業者の休業日である月曜日を除けば日常的に行われるという。A氏のグループでは、ヌキ系を希望する客が現れたときは、その業者のヘルスに高額で誘導することを最大の目標とするようだ。
このように騙されてレンタルルームから出てきた客の反応は様々だ。自分を騙した客引きを探し出そうとするも諦めてすぐに帰る者もいれば、何時間も探し続ける者、翌日も探しに来る者もいるという。
こうした客に見つかれば面倒事になる可能性が高いため、客を案内した直後に当該の客引きはしばらく屋内などに身を潜める。そのためしばらくは仕事ができなくなるのが、この手口のデメリットである。その日さえやり過ごすことができれば、翌日に会っても「誰ですか?」などと言ってシラを切るという。
客引きに騙された客が警察に防犯カメラ映像の開示を請求しても、開示されることはまずないというのが実情であるようだ。防犯カメラ映像は主に傷害事件などの刑事事件の際には確認されるが、ぼったくりなどの民事事件においてはそうではないという。
このような手口の被害に遭うのは、歌舞伎町のことをよく知らない地方出身者が多い。これは「2.9.3 探りを入れる」に記したような手法を以て確認される。
一度でもぼったくり被害に遭ったことがある客は警戒心が強く、「やっつけ」をかますのは至難の業であるため、難しそうであると判断すれば優良店に案内して少しでもお金にするようだ。

3.3.2 ぼったくりキャバクラ

A氏を含む複数の客引きたちや巡回警備を担当するある警察官の言うところには、ぼったくりキャバクラ(やっつけキャバクラ、やっキャバ)は2015年に歌舞伎町から姿を消したが、かつては乱立していたという。
具体的にどのような手口だったのか、A氏に尋ねた。まず、男性の客引きが通りを歩く男性に声を掛けて、例えば4000円ポッキリで一時間飲み放題であるなどと説明し、店に案内する。その後は通常と同様に従業員が接待する。そして会計時には常軌を逸した金額が請求されるというものだ。会計明細には入店料4000円のほかにテーブルチャージが5万円、アイス代(氷)が1万円、テキーラボール代が一つにつき1万円、ソフトドリンクが一杯につき4万円などという具合に、通常の飲食店では考えられない項目・金額が掲載されている。その額は20万円程度で済むケースもあれば、100万円を越えるケースもあったという。どれくらいの金額を取るかについては、身なりやブランド品などから判断する店もあったという。
「最初の説明と違う」と客が文句を言っても、店側としては「その客引きが勝手に嘘をついたのだろう。でもうちはこの料金でやらせてもらっている。飲み食いしたからには支払ってもらうしかない」「裁判でも何でもしてください。ウチはこの料金でやってますので」などと主張し、支払いを拒否すれば強面の男性(従業員やケツ持ちの暴力団員)が現れて脅迫・恫喝などを行なうなどして支払いを迫る。手持ちの現金がなければカードを切らせるかATMまで同行してお金を下ろさせるなどして回収する。あるいはトイレ掃除などの強制労働を課すこともあったという。
このような店はぼったくりヘルス同様、客が支払った金額に応じて客引きへのバックが増える。そのため、例えば最初の見込みでは7万円の支払いで4割バック、2万8000円ほどが客引きの取り分のはずであったケースでも、店から「取れそうだったんでもっと取っちゃいました」とあとから電話がかかってきて結果的に20万円を越えるバックが手に入るというようなこともあったという。このように、見込みがあると店が判断すれば、不可解な理由をつけてより多く搾り取る。一方で、「延長はいくらですか」などと店に尋ねるような慎重な客に対しては難しくなる。
交番に被害を訴えても警察は民事不介入の姿勢を取ることが多く、家族や会社がある被害者には面倒事を長引かせたくないという心理が働く。そのため、諦めてやむを得ず支払う人は多かったという。一度支払われたお金が返却されることは、その当時はほとんどなかった。
ぼったくり防止条例では料金明示義務が規定されているが、そうした法律・条例の抜け道は様々に用意されたようだ。例えば、当時あるぼったくりキャバクラで働いていた従業員は週刊誌・アサヒ芸能の取材に対して「メニューを見せないこともありました。どの店も客とのやり取りはICレコーダーで録音しています。客に聞こえないところで『当店のシステムは‥‥』とか『ご了承いただきました』という、こちらの声を吹き込んでおく。音声としては料金説明しているということになるから、強気で払えと言えるんです」と語っている。
まだ歌舞伎町にこのようなぼったくりキャバクラがあった当時は、店を出た客が客引きに文句を言いにきても「関係ねぇだろお前が中で使ったんだろうがよ」などと言い張って、あまりにしつこければ暴行を加えて返り討ちにすることもあったといい、逃げたり隠れたりすることはなかったのだという。(以上、A氏談)
この手法によるぼったくりの多発によって警察に相談が相次いだため、民事不介入の姿勢を維持していた警察が本腰を入れて取り締まりを開始、2015年6月の一斉摘発によって、このような店は次々と閉店に追い込まれ、現在は歌舞伎町には存在しない。(複数の客引きおよび警察関係者談)
また、先に紹介した凶悪事例のように睡眠薬などを摂取させることで意識を失わせて金品を奪う手法、同じく意識を失わせるなどした上で「止めたのにオーダーして高いボトルを空けた」などと後から説明する手法などが用いられることもあった。

3.3.3 ぼったくりバー

ぼったくりは風俗系だけではなく、飲食店においても発生する。フィールドワークを通してその存在を確認することはできなかったが、被害情報はニュースやネット記事などに表れる。ぼったくりキャバクラ同様に男性の客引きが甘言を弄して案内し、店内では料金を明示せずに高額なドリンク代や氷代・お菓子代などで法外な料金を吹っかけ、支払いを拒否すれば強面の男性が現れるなどして支払わせようとする。こちらも、客引き(固定かフリーか、両方なのかは不明)を挟むことで店の責任を分散する手法である。
あからさまな客引きを使わない手法も存在する。代表的なものは女性を使う手法である。通りを歩く男性に声をかけ、口実をつくって店に連れていく。女性が選ぶバーは一見すると通常の料金設定だが、一部に高いものが紛れている。女性が高いドリンクをオーダーすることで、会計時に高額の料金を請求される。女性は自分で払うような素振りをするが実際にはほとんど払わず、今後会ったときに払うなどと言って男性に立て替えさせ、その後音信不通となる。途中で用事ができたと言って離席する場合もあるという。

3.3.4 出会い系アプリを利用した新型ぼったくり

ぼったくりバーによるぼったくり手法の一つに、出会い系サイトやマッチングアプリを利用したものがある。女性(ぼったくり側)が出会い系サイトやマッチングアプリで知り合った男性(被害側)とデートをして、ぼったくりバーに連れ込むという手段をとる。2019年後半から多発しており、警視庁が注意を呼びかけている。行きたいバーがあるなどといって提携先のぼったくりバーに案内し、そのあとは先に示したものと同じである。

3.3.5 プチぼったくり

ぼったくりとして問題になるかどうかは客がどう感じるかに依存する。かろうじて受容できる程度の提示金額であれば、あとで客がSNSなどに書き込むことはあってもその場ではトラブルにはなりにくい。
ぼったくり店が摘発される中で、あからさまなぼったくりとまではいかないが明らかに高い料金を請求するプチぼったくりが増加した。
これまでも述べた通り、客引きや案内所が客の足下を見て正規料金から金額をある程度吊り上げる行為もプチぼったくりの一種であると言える。

3.3.6 「系列店」ぼったくり

有名店の前などに待機し、そこを訪れた予約済みを含む客に対して「現在満員なので系列店に案内します」などと嘘をつき、全く関係のない自分の所属する店に連れていくという手法。この手法は「ひっくり返し」と呼ばれる。
2019年11月には明治大学の学生が客引きとしてこの行為を行ない、偽計業務妨害罪で逮捕されてニュースになった。 このケースでは固定の客引きであると見られるが、フリーの客引きがこのようなやり方でぼったくり店に案内しようとすることもある。

3.4 ある客引きのぼったくり観

以下は、客引きのA氏に、ぼったくり行為に関して心が痛むことはあったのかについて尋ねたときの会話である。
著者「ぼったくりのときって、やっぱり最初の方は、なんか抵抗とか、なんというか、若干、心が痛むことって(ありましたか?)」
A氏「(喰い気味に)ないないないない。それがさ、結局自分の得になるわけじゃない。なんて言うの、なんかさ、人によって考え方違うかもしんないけど、遊ぶカネじゃん。そう、なんか、詐欺とかはさ、あのーなんていうの、年寄りのさ、老後のためっての、結構大事なカネじゃん。そのカネって別にさ、そんな、どうでもいいよね。余裕があって、娯楽のうちだから。ま、いいかな~と俺は考えてるけどね」
「自分の得を最優先する」という考え方は、何も歌舞伎町の客引きに限った話ではなく、弱肉強食のビジネスの世界においても同様である。例えば人材派遣会社において、クライアントの希望就職先について「現在求人がない」などと嘘をついて、代わりに紹介率が高い就職先を斡旋するなどといったようなことは、世間一般においてごく普通に行なわれている。
しかし、人々の自己中心性が露骨に発揮される歌舞伎町という街においては特に、情けは無用と割り切って平気で人を騙すことのできる者もまた平常の範囲内と受け容れられやすいようだ。

3.5 ぼったくりが発生する構造

なぜ、歌舞伎町ではぼったくりや違法営業が発生しやすいのか。店や客引きとしては当然ながら摘発などのリスクが付きまとう。しかし、それでも風俗店や飲食店の経営者が危険を冒す事情が歌舞伎町にはあるのだ。
溝口は著書『歌舞伎町・ヤバさの真相』の中で以下のように記述している。「短期に投下資本を回収しなければならない、短期に儲けなければならない」「風俗関係はいつ手入れを食らうか分からないから、オーナーは開店三ヵ月か半年で元を取る考えでいる。(中略)家賃も高い」[溝口,2009:156] ―つまり違法性の高い業態は、摘発されないような業態になろうとするのではなく、実際に摘発される前に稼げるだけ稼いでしまおうという魂胆があるのだ。
元新宿警察署長の横山は、歌舞伎町に違法風俗営業が発生しやすい要因について、次のように語っている。
深夜営業の飲食店で届け出だけをしておいて、実際はそこに外国の女の子たちを安く雇って、女性たちのいわゆる性的な接待行為を含んだ純然たる風俗営業店、いわゆるもぐりの風俗営業店を営んでいる、というのが大半ですね。(中略)歌舞伎町地区は非常に家賃が高いのです。既存の店が上手くいかなくなって立ち退くと、もともとビルの賃貸料もそれ相応に高いですから、次に入るのは風俗店など客がたくさん入ってくる、そういう儲かる商売じゃないとだめだということになるんです。通常の飲食を提供するくらいじゃとてもやっていけない。逆に貸す方の不動産屋なり、ビルのオーナーの立場からいうと、いわゆる違法風俗店をやることがわかっていながら、その部分のところで目をつぶっていれば、手っ取り早くお客がつくから黙って貸してしまうのです。(中略)「普通の飲食店に入って下さい」といっても、家賃が高くてなかなか入れないという状況が一方であるだろうと。そうするとビル自体が風俗飲食店を誘い込む一つの元凶になっているのかな、という気がしないでもないです。 [戸沼幸市, 2004]
では、なぜ歌舞伎町の家賃は高騰したのか。溝口の言葉を借りると、「歌舞伎町の特色として、ビルのオーナーと店舗経営者の分離が挙げられる。戦後発足した歌舞伎町で土地を持った者のほとんどは早い時期に所有地にビルを建て、テナントの継続・維持を不動産屋に任せ(中略)所有と経営の分離が荒っぽい商売を許し、テナント料をつり上げ、歌舞伎町を危険な街にしたともいえる」[溝口, 2009:157] ということである。
ぼったくりや違法営業が発生しやすい歌舞伎町の土壌は、戦後の歌舞伎町誕生時の不在地主たちの貪欲さを土台とする積み重ねの上にあったのだ。
また、そういった店が多ければ、割れ窓理論*の考え方、柏原が言うには「『歌舞伎町そのものが割れた窓』に見える」[柏原,2003:13]ことによって増幅していく。
そしてそんな状況は、この章の冒頭にも書いたように店と客との間で立ち振る舞うフリーの客引きの存在による店の責任の分散、そして客が支払う金額に応じてバックが増えるというシステムによって助長される。NEWSポストセブンによると「店主がまともな接客をする店であっても、違法なキャッチを営業目的で利用する店が少なからずある。違法であるし、暴力団まがいのグループからビジネスパートナーにされていると分かっていても、実際に客を連れてきてくれるから背に腹は代えられない」という。 ぼったくり店であろうと良心的な店であろうと、客引きが客を連れてきてくれるからこそ経営が成り立っているという店は多い。
客引きとしてはぼったくり店に案内する方がたくさんのバックが貰えるため、真面目に営業している店に案内しなくなる。その結果、多くの店がぼったくりに手を出すようになったのだ。
つまり、歌舞伎町は街自体がぼったくり構造を持っているのである。

*ゴミのポイ捨てなどの軽犯罪を放置が住民のモラル低下および犯罪への心理的ハードルの低下に繋がってさらに環境を悪化させ、凶悪犯罪を含めた犯罪が多発するようになるという環境犯罪学上の理論。

3.6 ぼったくりか否か

この章では歌舞伎町のぼったくりについて説明したが、たとえ客がぼったくりであると主張していても、必ずしもぼったくりとも言えないケースもよくあるのだという。(警察関係者)
例えば歌舞伎町のキャバクラに3人で行って3時間飲んで20万円というのは決して不自然な金額ではない。しかし、ぼったくりであると感じる人もいる。ぼったくりであるかどうかが議論となるのは結局のところ客がその金額に対してどう思うかである。
こうしたことが起きる背景には、歌舞伎町という街にぼったくりのイメージが付随しているということが考えられる。客が思っていたより少しでも料金が高ければ、他の場所で同様のことが起きたとき以上に「ぼったくられた」という考えが浮かびやすくなるのだ。

2020/01

歌舞伎町の客引きとボッタクリの裏側に迫る②
歌舞伎町での参与観察を通して知った、客引きとボッタクリの裏事情。

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