アメリカ版Breaking Downに出場してそうな人たち

着想

ボクシング、空手、空道、柔道、日本拳法、相撲、プロレスなどバックボーンをもった格闘家が集まり「1分1ラウンド」で決めるアマチュア総合格闘技イベント「Breaking Down」。
格闘家はもちろんのこと、YouTuberやTiktoker、喧嘩に自信のある一般人など多様なメンツが登場して舌戦や取っ組み合いを繰り広げる「オーディション」は本戦以上に人気が高く、公開の数時間後にはミリオン再生を記録するほどである。(2023年1月現在)

日本で始まったBreaking Downであるが、もしアメリカで開催されたら、どんな人物がオーディションにやってくるのだろうか。以下に妄想を繰り広げることにする。(使用画像は無関係です)

※不定期に更新予定

薬物依存からの再起

フリーター。ハイスクール時代にコカインやヘロインなどの違法薬物にハマり、進学も就職も上手くいかないまま、快楽に溺れた自堕落なその日暮らしを続けていた。そんな日々に行き詰まりを感じ、薬物によるハイよりも現実でのハイを求めるべく、再起をかけてエントリー。

スラム街の解体屋

解体業者。ニューヨーク・ブロンクスのスラム街で生まれ育ち、少年時代から喧嘩に明け暮れ、窃盗や恐喝などの悪事に手を染めるもマイク=タイソンに憧れ更生。Breaking Dreamを掴み、今も貧しい生活を送る母親や兄弟を支えるための足がかりとすべくエントリー。

塀の中に忘れた青春

工場作業員。少年時代は優等生であったが次第にグレるようになり、10代終盤で起こした強盗致傷事件により20代の全期間を刑務所で過ごす。出所後は世間の風当たりの厳しさに折れそうになりながらも、自分のような人間でも更生できるということを示すためにエントリー。

ハリウッド崩れの逆襲

俳優を目指して名門大学で演劇を専攻、ハリウッドでは舞台に立てたものの、自身の失態もあって夢であった映画出演を果たすことはできないまま歳を重ね、宙ぶらりんの生活を送っていた。かつて役作りをキッカケに始めた空手を駆使し、エンタメ業界に爪痕を遺すべくエントリー。

キューバからの亡命者

ジムトレーナー。もともとは有望なボクサーとして将来を期待されていたが、兄が殺人で逮捕されたことにより始まった肩身の狭い日々を終わらせるため、家族とともに手漕ぎボートでキューバから脱出してアメリカに亡命。家族の名誉を回復するために、大会での活躍を目指してエントリー。

THCの伝道師

イリノイ州の大麻栽培業者。12歳で大麻に出会う。合法化される前から売人としてストリートで活動する中、大麻の奥深さに引き込まれ、多品種を本格的に栽培する。教会に通う日曜日の午前中以外は常に大麻を摂取している。自ブランドの宣伝活動の一環で、番組への出場を決意。

KKKに翻弄された運命

白人至上主義団体KKKの熱狂的支持者である両親のもとに生まれ育ち、自らもその思想に傾倒。有色人種への憎悪を募らせ、ある日黒人青年を襲撃して逮捕される。服役中に出逢った黒人刑務官との交流の中で考えを改め、出所後にKKKを脱退。人種差別の消滅を声高に叫ぶ場を求めてエントリー。

インディアンの熱き誇り

4つの州の境界線として知られるフォーコーナーズのナバホ保留地出身のインディアン。インディアンの誇りを胸に昔ながらの生活を営み、その地位向上を掲げると同時に、虐げられた先祖たちの怒りの矛先を求めてエントリー。60歳の誕生日を目前に控えるが衰えを知らず、大自然の中で鍛え上げた強靭な肉体によってオーディションでは相手の右腕を粉砕。しかし本戦出場直前に何者かに襲われ重傷を負い辞退。

醒めたエリートの余暇

ハーバード大学を優秀な成績で卒業後、西海岸の大手IT企業で幹部に上り詰めたのち起業し、さらなる成功を収める。常人を遥かに凌ぐ冨と名声を手にするも、張り合いのない日々に嫌気が差していた。そんな中、大会の存在を知り、血湧き肉躍る自分に気付く。格闘技経験はないものの、独自のトレーニング理論を構築し、短期間で戦闘力を大幅に向上させた上でエントリー。

再起をかける伝説的YouTuber

チャンネル登録者数は4,000万以上。アメリカ全土で高い知名度を誇る冒険系YouTuber。YouTube黎明期に活動を開始し、アラスカ野宿旅やサハラ砂漠横断、アマゾン密林探索など、世界各地を冒険し、その様子を発信することで人気を博した。新型コ口ナの大流行に伴い冒険の自粛を余儀なくされたことで人気が低迷し、活動再開後も思うように結果がつかない日々が続いていた。必死に戦う姿をファンに見せたい、また認めてもらいたいという思いから参戦を決意。

ストリートの神話

フラワーショップ経営者。アフガン戦争で孤児となり、裕福なアメリカ人夫婦に養子として引き取られるも、アメリカへの恨みと生来の破壊衝動が絡み合って日常的に暴力沙汰を起こす。学校を三度放校になり、少年院で計4年過ごす。少年院ではギャング団を率い、脱獄騒動を二度起こして報道される。ストリートでの喧嘩戦績は推定500勝1敗であり、「ストリートの神話」として全米の不良少年たちに崇拝されている。その影響力に目をつけた番組からの再三のオファーを経て、「ここに出てこれるような人物じゃない」と言われながらも出演を果たす。あまりに強すぎるため、対戦相手がなかなか決まらず、ひな壇タレント枠としての出演が専ら。

ストリートの英雄

メキシコ系の一般的な中流家庭で育つ。中学時代に強盗被害に遭って孤児となり、ストリートでの生活を余儀なくされる中で頭角を現し、抗争を繰り広げていた白人系・黒人系ギャングたちを束ねてトップに君臨するまでになる。かつて暴虐の限りを尽くしていた「ストリートの神話」たちが街に攻め込んできた際、彼に唯一の敗北を経験させて追い払った男として知られる。その戦いの際に負った古傷は今も痛むという。情に厚く誠実であることで知られ、喧嘩には武器を使わず、必ず1対1で行うことを信条としている。また、彼の台頭によって街の治安が良くなったという声も多く、一部では英雄視されている。現在は地方都市で介護士として慎ましく働いているがトレーニングは欠かさず続けている。番組出演はひな壇タレント枠からスタートしたが、彼との15年越しの再戦を視聴者から熱望されている。
顔面タトゥー繋がりで日本の瓜田純士とのスペシャルマッチが実現するも、開始2秒でリングに沈め、頭蓋骨骨折に至らせる。

8フィートの伝説

元バスケ選手。中学時代に発症した巨人症によりその身長は8フィート(約243cm)を超える。かつてはNBA入りが有望視されていたが、ドラフト直前の試合中の怪我により断念。バスケ引退後にウェイトリフティングとジークンドーに出会い、線の細かった身体を筋肉隆々に鍛え上げる。オーディションでは対戦相手の顔面への鋭い蹴りで全治5ヶ月の重傷を負わせる。

600ポンドの肉塊

中学時代に太った体型を馬鹿にされていじめられたことを機に自室に引きこもりオンラインゲームに興じる日々を成人するまで送っていた。運動もせずジャンクフードばかり食べていたため、一時は体重が800ポンド(約360kg)を超える。ダイエットを目的に始めたボクササイズから格闘技に興味を抱き、かつてのいじめっ子たちを見返すべく参戦。腕力と耐久力はあるものの俊敏さに欠けるあまり、足元を掬われKO負け。

グリーンベレーの怪物

かつて米陸軍特殊部隊「グリーンベレー」に所属し、イラク戦争で活躍するなどエリート隊員として鳴らす。負傷により退役後、地元で肉屋を営んでいたが、コストコの台頭もあり廃業後は根無し草的生活を送っていた。ある日銀行強盗の現場に偶然居合わせてその場を制圧、特殊部隊の日々の血湧き肉躍る感覚を久しぶりに味わっていたところ、ニュースを見た番組関係者からのオファーを受け、さらなる刺激を求めてエントリー。オーディションでは対戦相手の顎を粉砕してTKO勝ち。

ノースダコタの狂人

父親は元死刑囚(州の法律改正により現在は終身刑)、母親は娼婦という家庭に生まれ、地元のギャングやマフィアの一員として様々な犯罪行為に手を染める。人生の3分の2を塀の中で過ごし、「殺人も含めて全てやった」と豪語する。最後に出所してからは地方都市で質素な生活を送っていたが、「ドバドバ溢れる血が見たい」というかつての欲求が再燃、ストリートで鍛えられた強靭な肉体と戦闘術、一度キレると3日分の記憶が飛ぶほどの強烈な破壊衝動を武器にエントリーして物議を醸す。オーディション会場では同じグループの男と口論の末に失明させ、強制退場させられる。

終わった男の復活劇

仮釈放なしの終身刑受刑者。90年代に全米を震撼させた映画館での銃乱射事件の主犯とされ、20年近く服役しているが、本人は仕組まれたものとして冤罪を主張している。当時は大学アメフト界の花形選手であり、学業成績も優秀と模範的であった彼の無罪を信じる者は多い。番組運営側にも彼の支持者がいることから、塀の中からの異例の出場が決定。手錠をかけられた状態でオーディションに出演し、物議を醸した。本戦では重い打撃を多数喰らいながらも判定勝利を収めて一躍時の人となり、世論の後押しから再審が決定。証拠不十分により無罪を勝ち取り釈放されるも、翌年暴力沙汰を起こして再び収監される。

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